ユーフォニアムを洗はう! 〜 下準備編

 

 どうも、ヤングな方々から、「ユーフォニアムを洗ひたいのですけれど、どういふ風にしたらいいですか」といふ質問が相次いでゐる。學校の部活動は一體どうなってゐるのかと疑ったが、考へてみれば、今や少子化。ユーフォニアム擔當の生徒だって、毎年ゐるとも限らないし、顧問の先生だって、必ずしも金管樂器について詳しいとは限らない。そこで、ワタシがちょっくら傳授しようと思ひ立った譯です。ま、通常のピストン樂器の手入れ方法については、ヤマハのHPにも載ってゐるので、そっちを參照された方が早いでせう。でも、ユーフォニアムを本格的に洗ひたいといふ方は、以下のレポートを參照して下さると幸ひです。

 まづは心得から!

・樂器は澤山の部品から出來てゐる。大掃除の時はそれを全部外すことになる。どれがどの部分のものだったのかが分からなくなってしまはないやう、整頓しながら掃除しよう。

・分解した樂器は、皆さんが服を脱いで裸になるのと同じく、デリケートだ。水に濡れると滑りやすくもなる。ぶつけたり、落としたり、倒したり、こすったり、踏んづけたりしないやう、細心の注意を持って挑まう。

 

1.着替へ
・汚れても平氣な格好をする

 水しぶきが跳ねたり、オイルが垂れたり、ポリッシュが付いちゃったりしますので、汚れても平氣な服装で作業をしよう。

 

2.樂器の分解
・ピストンキャップを外す

 もし、キャップが固まってゐて、外れない場合は、ゴムを巻き付けると外れやすくなる。寫眞の器具は、それを應用した、ゴムによるフタ開け器。東急ハンズで買ってきたものだが、重寶してゐる。

 ちょっとやそっとでは開かない場合、絶對に無理してこじ開けないやうに。特にペンチなどで、力任せに開けようとはしないこと(キャップやシリンダーが歪んでしまふ)。かういふ時は、掃除するよりも、樂器屋さんで直して貰ふのが先だ。

・ピストンを引き抜く

 眞直ぐ引き抜くやうにしないと、途中で引っかかり、ピストン自體が歪んでしまふこともあるので、要注意。

・ピストンをバラして、安全な場所に置く

 ピストン本體の中といふのは、實は空洞なのだ。だから、ぷつけたり、強く握ったりすると、それだけで本體は歪んでしまふ。タオルでガードして、慎重にパーツを分解し、安全な場所に置くやうにしよう。

 * 各ピストンのキャップの大きさや、バネの長さが違ふメーカーもある。あとで組み立てるときに間違はないやう、きちんと竝べておかう。

 ピストンを全部バラすと、これだけのパーツになる。あとで分からなくならないやうに。特に、ボタントップのフエルトとピストン本體のフエルトとが似てゐるので、混同しないやうに。

 

洗浄編に續く

 


 



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Hidekazu Okayama