アメリカのバンド その1
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HOLST/HANDEL/BACH cond. F.Fennell The Cleveland Symphonic Winds (米TELARC CD-80038) First Suite in E Flat, Op.28, No.1 (G.Holst) ホルスト作曲の「軍樂隊の爲の組曲第一番」は、吹奏樂の古典的名作とされてゐる。CD化されてゐる演奏は數あるが、フェネル氏とクリーヴランド・シンフォニック・ウインズによるこの演奏は、作曲者の魂が化けて出てきたかのやうに、鬼氣迫るものすら感じさせる(正にジャケットをご覧の通りである)。ヘンデル、バッハも荘嚴かつ華麗で、素晴らしい。 |
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HOLST SUITES. VAUGHAN WILLIAMS. LA FIESTA MEXICANA. FENNEL cond. F.Fennell Eastman Wind Ensemble (米MERCURY 462 960-2) SUITES 1 & 2 (Holst) ホルスト「軍樂隊の爲の組曲第二番」のユーフォニアムソロが何とも見事。館長の理想とするユーフォの音色である。V.ウィリアムスの二曲は、速いテンポで快活に繰廣げられる。又、メニン作曲の「カンツォーナ」は隠れた名曲。リードの「メキシコの祭」は、各樂器の生々しい音が堪能出來る演奏。祝CD化! |
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FENNEL CONDUCTS GRAINGER, PERSICHETTI & OTHERS cond. F.Fennell Eastman Wind Ensemble (米MERCURY 432 754-2) Lincolnshire Posy (P.A.Grainger) グレインジャーの傑作「リンカンシャーの花束」を世に知らしめた名演、ついにCD化! ハチャトリアンの「アルメニア舞曲」は、土臭い東方の香りを滿喫出來る逸品。パーシケッティの「交響曲第六番」は、旋律といひ、和音といひ、拍子といひ、まさに現代吹奏樂曲の標とも言ふべき大作。ちなみに、ジャケットのオジサンは「モリス・マン」と呼ばれる、イギリスの「モリス・ダンス(6/8拍子の舞曲で、「リンカンシャーの花束」にもこの舞曲が使はれてゐる。)」の藝人であり、指揮者フェネル氏の變装といふことではないらしい。 |
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Fiesta ! cond. D.Hunsberger Eastman Wind Ensemble (MCA FVCC 3358) La Fiesta Mexicana (H.O.Reed) ハンスバーガー&EWEの名盤、待望の初CD化! 現在、(株)ソニーファミリークラブでのみ、販賣されてゐる(「ブラスの祭典〜世界の吹奏楽名演全集〜」10枚組の内の1枚。殘念ながら分賣されてゐない)。こんなにも血沸き肉踊る「メキシコの祭」は、この盤をおいて、他にない。また「異教徒イベリア人の讃歌と舞曲」の甲高い音が乾いた大地を彷彿とさせ、「太平洋の祭」の各種打樂器が熱狂的に踊る人々を思ひ描かせる。「人生は祭だ」とは、映畫監督F.フェリーニの言だが、「吹奏樂は祭だ」と、思はず連想させられるCDである。 |
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マクベス&ネリベル・コレクション cond. D.Hunsberger, 朝比奈隆, 兼田敏 他 Eastman Wind Ensemble, 大阪市音楽団, 東京佼成ウインド・オーケストラ 他 カディッシュ (F.McBeth) ハンスバーガー&EWE來日ライヴの「カディッシュ」。マクベス独特の分厚いハーモニーを絶妙なバランスで實現し、心臓の鼓動のやうな打樂器のリズムの上にゆっくりと奏される旋律が嚴粛なる祈りの姿を感じさせる。以前のライヴLP盤の音の方がいいやうに感じるのは、氣のせゐだらうか。ともあれ、この一曲でお薦め出來るCDである。他の曲は殆ど聽いてゐないが、朝比奈隆氏が「マスク」を振ってゐるといふことに、驚く方もゐるのではなからうか。朝比奈氏の吹奏樂曲録音は、案外多いのである。 |